四季工房だけが行う手間ひまかけたオリジナルの家づくり

株式会社四季工房 手間ひまかけた家づくり

最初は反発していた大工さんたちの意識が変わる 1

 簡単に「建てる」といっても、ただ外材を国産材にすり替えればいいというわけではありません。そこには大工さんの技術の復活と、一つひとつの工程を手作業でこなしていく膨大な手間をかけることが求められます。外材なら工場でプレカット(コンピュータで読み取った設計図をもとに全自動加工機を使って、木材を切削すること)すればあっという間に済んでいた木材の加工作業も、国産材に替えたとたんに、手加工にその何倍もの時間が必要になってきます。加工作業の手順を簡単に説明すると、次の通りです。
 まずは大工の親方が、どこにどういった木材が必要かを決めます。それを、ベニヤのような板に墨で家の骨組みを書いた「手板」と呼ばれる図を起こします。それから実際の木材を見定めて、どこに何を使うかを決め、墨で印をつけて、ようやく手作業で加工する「手刻み」という作業に入っていくのです。
 それだけの手間がかかることは重々承知のうえで、私は大工さんたちに訴えました。
 「どうしても、日本の木だけを使った家をつくりたいんだ。まずは、ショールームをつくってみたい。もしも木が割れたりねじれたり狂ったりして、手直しに莫大な費用がかかったとしても、私がすべての責任を負うからやってみましょう」
 そして、いよいよ念願の国産材を使った家づくりが始まりました。ところが、手刻みにかなりの時間がかかることを計算に入れていなかった現場監督たちが、建前(柱や梁、棟木など、家の構造となる部分を組み立てること。また、その日に行う儀式。地域によっては、餅を投げて祝うところもある)の直前になって急にあわて出しました。
 「手で刻んでいたら、とてもじゃないけど建前が間に合わないですよ」
 「だったら、建前に間に合うように早めに段取りして、工程を組まなきゃ、間に合わないっていったって、国産材は手で刻むしかないでしょう」
 「いくつもの現場で建前が重なってくると、そうもいかなくなります。プレカットでパッパと刻まなきゃ、こなせなくなるんですよ」
 結局、彼らは私の言葉を無視して、木が反る方向を見極めることもなしに杉や松をプレカットしてしまったのです。
 結果は惨憺たるものでした。木のクセを読まないままプレカットしたので、二階の梁の木表と木裏を見誤って使ってしまったのです。当然梁は、もう少しで外れてしまいそうなくらい見事にねじれてしまいました。お客さんの一人が、これを見て、
 「こんな仕事をするんだ」
 とつぶやいた際には、情けないやら悔しいやら……。

最初は反発していた大工さんたちの意識が変わる  1
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